１　【質問】自分は上司です。会議に使うために、部下にコピーを頼んだとします。指示としては、「B４用紙で１００枚」をお願いしたのですが、部下は、「A４用紙で」１００枚をコピーしました。コピーはB４用紙でなくてはならないものであり、かつ、会議が始まるまでにコピーをし直す時間は、ないものとします。さて、この場合、あなたは、上司として、部下にどのように声をかけますか？

２　【回答】ちなみに、私は、次からは、「コピー用紙のサイズを確認するようにしてね。」と声をかけました。自分なりに、部下に配慮したつもりです。しかし、これだけでは不十分だったようです。

３　少し話は脇道にそれますが、こんな話があります。ある兄弟がケンカをしていて、お母さんがお兄ちゃんを叱ったが、そこにはお母さんの誤解があった、というお話です。
　　実は、お兄ちゃんは弟とケンカしていたのではなく、お母さんが大事にしているネックレスを弟が勝手にいじったので、弟に注意していたのです。お兄ちゃんは、そのネックレスがお母さんにとって大事なものであることを知っていたので、黙ってみていることができなかったのです。
　お兄ちゃんとしては、褒められると思ったのに、逆に叱られてしまったわけですから、ショックを受けたことでしょう。

４　話をもとに戻しますと、こういうことです。人間は、ときに「思い込み」にとらわれます。先のケースにおいては、①「部下が間違えた」という思い込みがあります。考えられる他の原因として、②「自分（上司）がB４をA４と伝え間違えた」、もしくは、③「コピー機が壊れていて、部下はちゃんとB4を押したのに、A４でコピーされた」という可能性があります。②か③の場合、部下は、自分は悪くないのに、上司に一方的に自分のミスだと決めつけられたことになります。

５　このようなことから、信頼関係が壊れる場合もあります。信頼関係を築くには、部下への配慮も大事であり、そのためには、「思い込み」から解放されることが必要といえるでしょう。